ごきげんよう。MIKKOです。
骨盤底筋は胴体を下から支える縁の下の力持ち。横になっているとき以外、ずっとしたから支えてくれている働き者です。でも、普段意識したことがないので、じつはどこにあるのかよくわからないという方も多いものです。そこで今回は、骨盤底筋について詳しく解説していきます。

骨盤底筋が弱りやすい理由

骨盤底筋とは、その文字通り、骨盤の底にある筋肉のことで、排泄後に拭く部分のちょっと奥(深部)にあります。骨盤はバケツのような形をしていますが、実は底面をふさぐ骨はありません。穴のあいたバケツ(骨盤)の底に布を広げた”ハンモック”のような形でついているのが骨盤底筋です。ぶら下がった形のうえ、穴(肛門、膣、尿道)もあるので、とても弱くてもろい筋肉です。

女性の骨盤底筋が弱る一番の理由は出産ですが、産後傷ついた神経は早期に体操をすることで修復を助けるということが研究でもわかっています。ただし出産経験にかかわらず、加齢と共に弱りやすく、尿もれ、頻尿、骨盤内臓器脱が起こりやすくなります。つまり、穴をふさぎきれずに出てきてしまう、「おしものトラブル」が増えてしまいます。

 

くしゃみや咳、重いものを持ったり、ジャンプしたりしたら、ちょっともれてしまった、という経験がある人は多いのです。日本排尿機能学会の調査によると、実に60歳以上の78%の方が尿漏れなどの排泄に関する悩みを抱えている報告があります。もし誰にも言えずに一人で悩んでいる人がいたら、自分だけではないことをぜひ認識してほしいです。

 

骨盤底筋を鍛えるメリットは2つあります。1つは内臓を支える働きを高め、もう1つは排泄の調節力を強くすることです。つまり、内臓下垂、ぽっこりお腹の改善、おまたから臓器が出てくるのを防げます。頻尿や尿もれ、便失禁などの予防や改善につながり、おならが我慢できるようになるなどの効果も期待できます。

 

骨盤底筋を鍛える方法は、骨盤底筋体操(バイオフィードバック訓練:センサーを使って骨盤底筋の収縮をモニタリングしながら行う骨盤底筋体操)をする、トレーニング用電動クッションや膣ボール、ももに挟むトレーニング器具を使うなどさまざまです。ただし初めて骨盤底筋のケアを行う方に、私は市販品のグッズはおすすめしていません。

 

なぜなら、骨盤底筋を鍛える場合、始めに行うべきことは、骨盤底筋単体の収縮をさせる感覚をつかむことだからです。骨盤底筋はインナーユニット(腹横筋・横隔膜・多裂筋)と連動して働きます。また、太もも、お尻の筋肉は骨盤底筋を助ける筋肉なので、骨盤底筋を鍛えているつもりが、超音波で確かめてみると、実は骨盤底筋自体はあまり動いていなかった、ということがあります。

 

特に、骨盤底筋の筋力が弱い、または硬いなどで骨盤底筋の収縮が小さい場合は、トレーニング用電動クッションや膣ボールなどのグッズを使うことで、過負荷となり、骨盤底筋以外の部位で力を発揮し、実は骨盤底筋は使えていないままトレーニングを続けてしまうことに陥りがちです。また体内に挿入して使うグッズは衛生管理を誤ると感染症などを起こす可能性も。それでは効果が出ないばかりか、悪化する可能性もあります。始めは必ず低負荷から開始し、骨盤底筋の正しい収縮の方法を習得する必要があります。遠回りのようですが、長く続けていく上ではまずここを押さえることが、大事なポイントといえるでしょう。

 

私が開催する講座では、受講生の方が骨盤底筋の収縮をまず知ることから始まります。また「もれ止めエクサ指導者養成講座」では、骨盤底筋の収縮の感覚がつかめない人に対して、正しい収縮方法を習得できる指導法もお伝えしています。特別なグッズを購入する必要も、器具を消毒する必要もなく、手軽に始めることができると好評です。