ごきげんよう。MIKKOです。
尿もれを知ろうシリーズ第3回の今回は頻尿・過活動膀胱についてです。

頻尿を訴える生徒さんも多く、外出に不便を感じている方や夜間頻尿のため目が覚めてその後眠れなくなる中途覚醒でお困りの方も多くいらっしゃいます。「正常な排尿」の記事でも定義は紹介しましたが、さらに頻尿の主な原因、過活動膀胱や対応について解説します。

 

頻尿とは

頻尿の定義:1日8回以上、ただし自分自身で排尿回数が多いと感じる場合

夜間頻尿の定義:夜間排尿のために1回以上起きなければならない場合

※定義は日本排尿機能学会

 

頻尿の原因は、主に次の3つが考えられます。

 

  • 膀胱容量の低下

膀胱内に貯められる量が少なくなって頻尿が生じます。目安としては150~200ml以下です。

【原因】

・膀胱容量が直接小さくなる場合:膀胱炎のような炎症性疾患、過活動膀胱、間質性膀胱炎など

・膀胱容量は変わらす利用できる容量が小さくなる場合:前立腺肥大症、神経因性膀胱、膀胱がん

※膀胱がんの代表的な症状は血尿ですが、頻尿を訴えて受診される患者様もみられ、頻尿がある場合は考慮すべき疾患ともいえます。

 

  • 排尿障害(残尿)

膀胱にたまった尿を十分に出し切れないことにより、1回の排尿量は少なく、膀胱内に尿が残ります。新しく尿を溜められる膀胱のスペースが減るので、何度もトイレに行くことになります。

【原因】

前立腺肥大症や神経因性膀胱などにより尿を十分に出きれないことがあります。脳梗塞などの脳血管障害、多発性硬化症、パーキンソン病などの病気、子宮や直腸の病気で手術など、糖尿病で膀胱の神経が麻痺しているなどで、膀胱を収縮させる神経が障害されると、膀胱がうまく収縮できなくなり排尿障害が起こり、残尿が発生します。

 

健康で量も正常だが頻尿になるケース

膀胱や尿道に問題がなく1回の排尿量は正常(150~200ml以上)であるにも関わらず、何回もトイレに行く場合も頻尿と言えます。

【原因】

・糖尿病や腎機能低下や薬剤(利尿剤)による尿量増加

・水分の多量摂取、または利尿作用があるコーヒーやお茶の摂取

・ストレス、心因的要因

 

たくさん水分をとる人はその分トイレに行く回数も増えます。また膀胱・尿道の病気がなく、尿量も問題ないのに、気になって何回もトイレに行ってしまうことを心因性頻尿と言います。緊張する場面でトイレが近くなる状態が一過性の現象として終わらず、排尿回数が日常生活に支障をきたすほど頻繁になってしまうケースもあります。

 

膀胱の過敏性も頻尿に

この他、頻尿には、膀胱が過敏になり、尿が十分にたまる前に、自分の意思とは関係なく勝手に収縮して急に尿意が出るケースもあります。このような状態を過活動膀胱と言います。トイレに何回も行きますが、一回の排尿量が減少するため頻尿になります。夜間になることもあります。

 

過活動膀胱

症状としては、急にトイレに行きたくなる尿意切迫感、頻尿、夜間の頻尿、またトイレに行くまでに間に合わずにもれてしまう切迫性尿失禁を伴います。

 

【原因】

・脳血管障害、パーキンソン病などの神経によるもの

・加齢、骨盤底筋の緩みなど神経によらないもの

【対応】

・排尿日誌:排尿回数、時間や尿量などを記録する日誌。診断の助けとなる。

・生活指導:肥満便秘の解消、食事飲水物の指導(減塩、カフェイン、アルコール)

・薬物療法:膀胱の過敏な動き、尿意を抑えるための薬物の使用

・骨盤底筋トレーニング

・バイオフィードバック訓練(センサーをつけて、骨盤底筋訓練を行い収縮を確認する方法)

・膀胱訓練(排尿の間隔を開ける)

・手術療法

 

今回は過活動膀胱について説明しました。ご自分の症状にあった方法が見つかり、快適な毎日を過ごせますように。